2008.09.04 Thursday
絵柄がのっぺりしているので好みじゃあないかな? と思いきや、やられました。押井監督の作品の中では格段にストーリーが明快で、エンターテイメント性も高いと思います。架空の世界ですが、とてもわかりやすいし、人間の命題というか、普遍的な性に触れている感じるところのある作品だと思うので、多くの人に見てほしいです。…相変わらず、暗いけどね。設定自体、出口が無いというか…。
淡々としているのに、物語のひっぱり方がうまくて、わりと長い作品だと思いますが、最後まで集中力が途切れません。SF好きの友達に言わせると、設定としてはありがちな話だそうですが、SF本を普段読まない私は感心してしまいました。
「君は生きろ。何かを、変えられるまで。」
のシーンで、自分が女性であるせいか、ヒロインに同調して泣けて仕方がなかったです。
何故生きるのか? 何故生かされるのか?
あの人はどこへ行ったのか? 私はどこへ行くのか?
誰しもがキルドレであった思春期の時代に、出口の無いぐるぐるに嵌りこんで身動きできなくなり、でもふと気付くと、今日も花が咲いて、雨が降って、また晴れて、大切な人がいて、今日の景色は確実に昨日とは違う。
私自身が、そう信じたいのだと思います。
●気になった箇所
1.)自分達の出生の秘密に「気付いてしまうキルドレ」と「気付かないで済むキルドレ」には、確実に、人間の進化の過程に似た何かがあると思うのですが、明確に個体に差があるのでしょうか。たとえば、「偶然長生きしてしまった」とか「誰かに対する愛情や執着が生まれてしまった個体」とか「遺伝子操作上でのバグ」とか? バグだとすれば生殖能力を持たせたこと自体が甘かったと思いますが、生殖能力を持たないと闘争心がなくなるから、キルドレの存在自体が成り立たなくなるね。
2.)同じ押井監督の「攻殻機動隊」の主人公の名前が「草薙素子」で、「スカイ・クロラ」のヒロインの名は「草薙水素」で一文字違い。何か関連がある?
●個人的な出口への解決策
自分達のゴーストに気付いてしまった女性のキルドレは、じゃんじゃん子供を産む。死なないので、何人でも産めるから、死なない限りじゃんじゃん産む。
そうすれば、確実に何かが変わる。変わらざるをえないから。
だけど会社に公になってしまうと、また遺伝子操作で子供を産めない体に改良されてしまい、それはそれで問題にはなりそうですが…。
● スカイ・クロラ 公式サイト
監督/押井守







メイシーは唯一、救いのある存在で、なんだかマリア様のよう。笑 幼馴染の設定なのか、もしくはアレックスがなんとなく憧れを感じ、姉さんのように頼りにしている良い友達、という設定なのか、はっきりとは描写がないけど、こういう多感な時期にこういった人に出会えるのってほんとにラッキーなことだよね。